大規模修繕の戦略・大成功

ビルは自然災害によって少しずつ劣化しています。外観では気づかない箇所も劣化しているかもしれません。大規模修繕をして安全な街づくりを目指しましょう。

福岡時代から付き合いがあって支社開発室のスタッフになったO課長が私に質問し、それに答える形をとった。 これは、S・K両氏のコーチングから学んだ大きな知恵であった。
O課長はサポータータイプで、「Hさんの頭の中にあるものを一生懸命書類にまとめます」、といってくれた。 とにかく思いついたことを彼に質問させて、私がそれに次々と答えるというやりかたをとることによって、私の考えていたアイデアはどんどん固まっていった。
例えばこのようなやり取りをした。 「部長、支社開発室の創設に当たり行動指針をまとめるわけですが、どのような構想をお持ちですか」「そうだな、まず趣旨を明確にする必要があるね。
そのためにはわが社の理念が最初になければいけないと思う」「理念と申しますと、どこから持ってくるのですか」「わが社の創業時の理念というのはどうだろう。 会社のどこかにあるにちがいない」「企画室あたりにありそうですね」「なるほど。
さっそく企画室のKさんに当たってみよう」「理念の次は何が必要でしょうか」「理念を実現する具体的な手段や戦略・方法というところかな」「具体的にはどうなりますか」「例えば、当社の望む高パフォーマンスを継続的に上げられる営業組織をゼロから構築する。 社長の期待を私なりに検討してみたけれども、従来型の組織拡大の定石である営業所の分割、そして支社創設という手法ではだめだね。
他業界から強い営業力を持った人材をスカウトし、最初から営業管理職として支社経営のノウハウを効率的に身につけさせ、支社・営業所を先に作ってしまうという、トータルな組織構築を行うということだと思う」「どんな手順で何人ぐらいの幹部を採用するのですか」「当初は営業所長として採用し、トレーニングを行うが、最終的には支社長にまで育成し、支社開発室は、私が以前所属した新組織開発と同類の目的を持つため、「前プロジェクトの轍を踏まない」ことが、当然の前提となった。 私は、失敗した前のプロジェクトの甘い点、中途半端な点を徹底的に検証し、反面教師にし、常にコーチングをイメージして次のような四つの使命を明文化した。
顧客に対する使命支社のメンバーとしての使命上司のメンバーに対しての使命地域社会への使命このようなやりとりを通じて、私とO課長はビジョンを共有することができた。 これらには、コーチングのベースにあるWin(共存共栄)の関係や、部下を成功させたいというサポートの精神が盛り込まれた。

特に強調したのは上下の隔たりをならして組織をフラットにすること、マネジャークラスのメンバーに対しての使命である。 そうした考えをまとめて具体化したものが次のようなことである。
社員のキャリァァップを優先する年収1500万円以上を最低目標とする啓発の機会を与える営業支援を与える上司も部下も成績を上げたい気持ちは同じである。 そのために、多くの場合上司は部下に圧力をかけて成果を出そうとする。
しかし、そのやり方では効果もあるがマイナスの副作用も生ずる。 コーチングでは成長する、業績を上げるという点では上司も部下も目標は同じなので、脅しでなく、対等な姿勢で課題に取り組むことになる。
こうしたコーチングを意識した支社開発室の使命が明文化できた時、これを見た上司も部下もみんなが賛同したのは当然であった。 マニュアルを作っている時もコーチングの技術が活きた。
当初、支社開発室のマニュアル作りは困難を極めた。 支社開発室だけで使えるマニュアルを作っても意味がなく、全社に浸透するようなマニュアルが必要だと私は考えていた。
その考え方は、取締役会でも承認され、指示されていたことだ。 しかし、いかんせん、各部署からの協力姿勢が弱かった。

支社開発室はまったく新しい組織を作ろうとしているのである。 他の部署の方からみれば、余分で面倒な仕事を押し付けられたという気持ちしかないため、なかなか積極的な協力はしてくれなかった。
その悩みをS氏とのコーチングの際に話した。 「頭にくるよ。
みんなサラリーマンだよ」「協力してくれるように話したらどうですか?」「そうだよね。 言っても無駄なような気がするけど」「応援してもらえないと頭にきますよね。
でも、まず話してみたらどうですか?」「う-ん。 話してみるかな?」「それがいいですよ」「やってみよう。
うまくいくかどうかはわからないけど、とにかく協力してもらわねば始まらないしね」「○○所長、どんなマニュアルが使いやすいかね」「抽象的なのはだめですよ。 すべきだというのもだめだね」「なるほど。
どんなのがいいかもっと具体的に言ってくれないか」「ずばり行動に触れた、イメージのわくものがいいですね」「つまりノウハウよりもドゥーハウというやつか」「それそれ、そのドゥーハウというやつですよ」案ずるより何とやらで、具体的に依頼することを伝えると協力者も現れた。 コーチングによって、動かずにあきらめていた自分に問題があったことを気づかされた。
こうして、具体的に既にある「営業管理職の基本」をベースに肉付けをし、支社開発室が関連部署と連動して、マネジメントマニュアルを作成することになった。 マネジメントマニュアルを作成するのもコーチングを活用した。
まとめたのは私と右腕のO課長、関連部署スタッフだが、実際に使う立場のベテラン営業所長にも盛んに質問をした。 このようにして、コーチングを使ってベテランの意見を大いに取り入れ、全社で使えるマネジメントマニュアルもできあがった。
社長の意に沿わなかったかもしれないが、ともかく新しい支社開発室は始動した。 第一期幹部候補生を採用し、研修を行い、配属先へと送り込むことによって、私が考える新しい営業組織が体を成してきた。
だが、その一連の経過の中には、さまざまな課題が待ち構えていた。 私は、その一つ一つを、コーチングによって切り抜けていった。

新しい組織をコーチングを軸に作る「採用」のコーチングようやく業務を進める予算措置も順調に承認され、私はスタッフの応援を得て、幹部候補の募集採用に踏み切ることができた。 採用といっても、支社開発室の新しい組織づくりを担う幹部候補生なので、座って待っているのではなく、こちらから積極的に人を探して面接をしなければならない。
インターネットによる求人、あるいはアポイント業者、人材情報の提供会社などが持っている名簿、知り合いからの紹介などをフルに使って、候補者のリストを作った。 その人数は1000人を超えた。
しかし、この採用活動は最初から猛烈なアゲインストの風に見舞われた。 折しも、この時期に大手生命保険会社が倒産した。
マスコミは、「危ない生命保険会社」のランキングを作り公表した。 そこでは千代田生命、協栄生命とともにS生命も名を連ねていた。
この逆風の中での採用活動は非常に厳しかった。 通常の採用活動をしていたのでは、第1期幹部候補はとても採用できない。
支社開発室の成否は、この第1期幹部候補生の質にかかっているのだから、飛び切り優秀な人材を得なくてはならない.そのため、入社してから使える人材であることを確認するため、候補者をじっくり観察した。 時間に厳格か、人との応対は丁寧で適切か、真剣に転職を考えているか、家族についてはどうか、といったことを中心に見た。
かつて一度も転職を考えたことのない人などいないのではなかろうか。 誰しも過去に一度くらいは考えてみたことがあるはずだ。

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